「郎世寧」とはラン・シュゥニンと発音し、つまり中国名なんだけど、実はイタリア人のイエズス会士ジュゼッペ・カスティリオーネGiuseppe CASTIGLIONEのことであァる。これまた、フランス語読みすると、カスティグリオーネ。日本ではカスティリオーネか郎世寧で通ってると思います。
この人は18世紀に、中国は清代、康煕帝・雍正帝・乾隆帝の3代に宮廷画家として仕えた宣教師で、当時の中国に西洋の油絵の技法、遠近法などを伝え、さらに自身は中国の絵画の技法をたくみに学び、皇帝の肖像画や馬の絵など数多くの作品を残し、中国絵画に大きな影響を与えたのだ。
さらに、北京郊外にある皇帝の離宮「円明園」をヴェルサイユ宮殿を模倣してデザイン、設計し、中国初のヨーロッパ風の建築と庭園だったのだけれど、これは、第二次アヘン戦争でフランスとイギリス軍にこてんぱんに壊されてしまいました。現在は廃墟がそのまま公園になってます。実際にそこに行った庵主は、なんかアヘン戦争って昨日の出来事のような錯覚に襲われたもんです。
で、なんで懐かしいかといえば、庵主がかつて中国美術史を勉強していた際に、清朝の美術でたっぷりやったからなんです。そして、じゃあ、どうして今日そういうことに?
それは、春節の北京から戻ってきたリヤンのデジカメで撮った画像の処理の助っ人をしてあげたんです。その画像がカスティリオーネの絵巻物だったわけ。
リヤンは、昨日はパリに戻ったという電話をくれて、でも溜まった仕事と時差ぼけだから、少し落着いたら会おうなんて言ってた舌の根が乾かぬうちに、また電話があり、デジカメ画像の処理の仕方が????。説明しているうちに、「ねェ、これから行ってもいい?ついでにお夕飯も一緒に」ということに。あははは。機械オンチだからなぁ、誰かに頼んでCDに焼いたものの、それを開けない、さらに幾つか写真を選んで別のCDに焼きたい、というのでありました。もう、そんなのお茶の子さいさい!
でもって、CD-ROMを開いたら、あらァ〜〜〜これ、郎世寧じゃないの〜〜。ってことで、懐かしい絵巻の写真をとっぷりと拝見。実に細かくてすばらしいです。その写真は残念ながら公開できないので悪しからず。
代わりに、庵主が撮った円明園(ユアンミンユアン)の写真をばご紹介いたします。意外にも綺麗に残っている部分もあれば、下の写真のように無残なまんま。第二次アヘン戦争って、1856年勃発なんですよねェ。庵主がここに行ったのは、今から15年ぐらい前かな?もうちょっとかな?ま、とにかく、ずゥっとこのまんま。笑 ね、まるで昨日戦争があったみたいでしょ?
あ、で、お夕飯はタイ料理をゴチに。ふふふ。助っ人代としては美味しい手間でした。途中、トゥール・ダルジャンではなぜか食事したこと無いという話をしたので、何回か助っ人料を溜めて、今度はトゥール・ダルジャンでゴチしてよ、なぁ〜んちゃって、助っ人何回分ぐらいになるかなぁ。あははは。
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